mokomoko

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2021/01/22

長い間まってる

“ 長い間まってる ”、この作品について書きます!


この作品も、桜の時期の自粛期間中に描きました。
今回の、フライヤー、ポスターなどのメインビジュアルに選んだ作品になります。


先日のYou Tube番組『MEET YOUR ART』でもついつい言ってしまったのですが、この作品は実物を前にしないと1ミリも伝わりません! いっちゃったよー笑 もうしわけない!

でも本当でした。絵画って印刷や映像でみるものと実物とはまた別物です。
それぞれ別々の物語。
実物は、生のもで生きた作品です。
なかなか移動が難しい中で伝えるのは辛いですが。、


この作品を実際にみてもらえた人には伝わったかな。
黒の色幅、複雑な色のバリエーション、ラメの感じ。
作品を目の前にすると、複雑な立体感があります。

めっちゃすごいです。迫力もあるので、どんどん吸い込まれる感じ。


画面の大半をモノクロで描いていて色を入れてるとこが、効果的に画面に効いてます。

絵を描くときってそうとう頭使って描いてます。実は。意外かもですが。

全てのパーツパーツが響きあってひとつの音楽になる感じです。
オーケストラみたいな事です。
絵を描くって演奏の指揮をするようなものかも。
だからすごい集中力、判断力など色々必須です。

実物の絵画を目の前にすることは、演奏を生で聴くコンサートのようなことですかね。

鑑賞する人のその時のコンディションとその時の時間帯や光、空気感、すべてがライブでその時限り。

SNSなどでも遠く遠くまで作品を手軽に見せる事が可能になって、これまたすごいことなんだけど。

それと同時にやっぱり実際にとはまた別の話。

この先、もっともっとデジタル化は止まらないと思うけど、やっぱり実物の究極さも止められないだろうなあと思います。
よりアナログが最強で絶対的になると思います。


メディアのニュースもいろんな事が言われて情報が溢れかえっちゃって何が本当か良く分かんなくなってしまう。

こりゃ自分の意志を強くもってないとうっかりどこまでも流されちゃう。

とにかく自分の目で見たことをしっかりと受け入れよう、今できる事を、目の前の絵をすんごいものにしようと。

激動の社会で迷子になりかけた時は落ち着いて絵を描く。
リラックス、深呼吸、ゆっくりと茶を飲むべし。

“ニュースはあんまりみたらいけないよ”ってクラムボンの郁子ちゃん歌ってたし!!
私もそう思う!


そんな事をくるくる考えていた時に誕生した作品でもありました。





それでは、会期ものこりわずかですが、最後までどうぞよろしくお願いします!

       \(^o^)/


 





2021/01/19

もぎりよ今夜も有り難う

“ 天国 ”展も、フィナーレまであと、6日です!!!

早いなあ〜〜〜。

始まる前は永遠のように長い準備期間だったのに。
名残惜しいです。


展覧会に展示中の全部の作品解説はなかなか難しいですが、できる限り作品についてのエピソードを書いていきます!


本日の一品は、俳優の片桐はいりさん著書 “ もぎりよ今夜も有り難う ”の装丁をご自身より依頼されて描き下ろしたものです。



はいりさんとは、元々、Eテレの伝説道徳番組『時々迷々』がきっかけで仲良くしていただいてます。

番組のオープニングテーマで私の描いた絵の中ではいりさんが不思議なダンスを踊っているという。
1度みたら忘れない、なんともシュール映像!


番組内では、“ はいりーの落ち葉 ”という架空の絵本がでてきて、その絵本を描かせていただいたりしました。

はいりーの落ち葉の回もすごく良い物語で、架空の絵本が本当にあるんじゃないかって思えるくらい。

なんと、NHKにあの絵本はどこで買えますか??とお問い合わせがきたそうです!
分かる、私も見てみたかった!


制作されたのはもううんと昔なんだけど、最近まで再放送をされていて観ていた方も沢山いるみたい。
今回の展示でも、『時々迷々』の描き下ろしは展示していませんが、はいりさん作品が展示されてる訳で、“ 迷々 ”の絵って長井さんだったんだ!と気づいてくれる人が沢山いました!
そうなんです、私が描いていました〜。

迷々は、名作シリーズでした。
私も大ファンのひとりでした。




その後、はいりさんの舞台を観に行かせていただいたり、ドラマや映画をみても、やっぱり役者って演技ってすごいなあと釘付けでした。

そして作品集を制作した時にスペシャル企画として、はいりさんと長井作品の夢のコラボレーションをさせていただいた。と、いう経緯がありました。

写真の作品をいつかやってみたいと思っていたのがここで実現しました。


私も初めての経験で、はいりさんご本人にオファーして、それから事務所へ直談判!!
ちょうぜつビビリましたが、一生懸命お願いすると、快くOKくださりまして。
マネージャーさんもとても良い方です!

今回の展覧会でも、はいりさんご本人、マネージャーさん、スターダストプロモーションの方々にご協力いただき展示が実現しています。
有り難うございます!!



撮影のお話に戻りますが、
撮影、それはもう楽しかったです。

場所もイメージにピッタリの古民家を借りました。
スケジューリングもロケハンも何から何まで全部自分でやりました!
ちょっと映画の監督になったような気分でした〜。


photo by Shinya Kondo


今回は、作品集には掲載していない、秘蔵別カットを展示しています。

どこかの異世界からやってきたかのような、はいりさんが昔話のような座敷に。
ギャップ感やばい。でもなんかしっくりする。
表情やばい。

神ショット降臨!

photo by Shinya Kondo


こちらは、また違う作品。
今度は、半分絵で半分実写。2次元と3次元のハーフ&ハーフ。

張り子でできたカツラと、衣装は平面の絵が土台のパネルを実際にあててもらい撮影しています。

できた写真の上にまたコラージュをして1枚の作品にしています。
なので、複雑にミルフィーユみたく工程が重なっているのです。

絵の具を時間といっしょに重ねるように、工程を重ねて深みや不思議な画面を作り込みたかったです。


この写真シリーズもまたいつか第2弾がやれるといいなあ。
アイデアは無限にあるので、実現するといいです。




では、また書きます(^o^)/



2021/01/17

あっとうてき美しさ

“ あっとうてき美しさ ”
この作品は、
実際に今暮らしてる場所の、毎日自転車で通りかかった空き地がモデルになりました。
 

長いこと人の手が加わってなく植物が、雑草がもりもりに生えていて、枯れた植物にまた新しい緑の植物が重なっていたりしてました。

なんとも美しき自然による時間のハーモニー。

朝露にきらめく植物のあっとうてき美しさ。

夕日に染まるあっとうてきかっこよきシーン。


人の手ではあんな光景は絶対に出せないです。意図しない、ねらわない、ただただ自生する自然の摂理、サイクルこそがもう究極中の究極。

雑草の本当の美しきを知ってる人はどのくらいいるんだろう、枯れた草木がなんてしびれるんだろうって思うひと他にもいるかなぁ。
なんて思いながらいつも自転車に乗りながら考えてました。



自然のあっとうてき美しさを、自分の絵の中であっとうてきに美しく閉じ込める!その一心で描きあげてます。


雑草の意図しないサラサラ感のびのび感などを意識しながら画面構成を複雑にしてます。
頭の中で画面構成してるときは、パズルやってる感じで最高に楽しいです。
まさにそれは天国。


寄りで切り取っても、しびれるくらいいいぃ。
実際にある植物から、空想の植物や、パッチワークめいた植物からあります。


ほおづえついてる陶器でできた人形は、実在してます。


そのまんまです笑

自分がまだ保育園くらいのときからずっと実家にいた人形です。

小さいころから見てた人形はどれも強烈に記憶しています。全部みなくても描けるかも。

この陶器の人形もそのひとつで母から譲ってもらいました。
今は自分のアトリエにいます。



会場では、“ 光 ”のとなりに展示されていま
す。


自然光が差し込むこちらの展示室は本当に気持ち良くて、素敵な美術館です。

また季節が違うと会場も違った雰囲気になるんだろうなあ。
別の季節もみてみたくなる、そんな桜ヶ丘ミュージアムです。



さて、さて。展覧会もいよいよ来週よりラストウィークです。

始まりがあるものは終わりもくる!

さみしいけど、もうすぐさよならです。




また、書きまーす(^o^)/

2021/01/14

今日は、“ 音 ”というタイトルの作品について書きます。

この作品、大きいですっ!!実際みてくれた人にはまずでっかい!と圧倒してもらえたかな。

幅5メートル超えてます。

結構前からあたためてきた絵を描きました。水面の光具合、森の湿度ある空気感などうまく現せたんじゃないかと思ってます。


アトリエで描いてるときは縦も天井ぎりぎりで、アトリエも広くはないので、弧を描くように配置して描きます。 

視界いっぱいの大画面です。
それはまさにナチュラルVR状態で、まあ至福な日々だったのを思い出します。

まさに、絵画の中に入ってるような感じ。
本当に森に通っているかのような毎日でした。



仕上がりもいいのだけど、私は描いてるその時がたまらなく好きです。

視界が絵にかこまれて、本当に水面の光のところとか、色の粒子だとか(全体的に細かい様々な色の絵の具の粒が画面いっぱい飛ばされています。)が、心地よく、体感してる感じで本当に音が聞こえてきそうだ。と思い “音” というタイトルがつきました。


自分で森を作っていくような、筆で世界創造してる感じは本当にスペシャルで贅沢です。

あまりにも画面が大きすぎると、平面というより、手におえない感じで、手探りで森をかき分けていくような感じ、絵の中にダイブしながら描いてるような、うまく伝えられないですが、すごいおもしろい体験になります。

全体的な構図なんかも引きがとれないので、長年の勘にたよります。
特技のスーパー想像力を無限発揮して、全集中なんとかの型!!

“8割くらい出来てきたところで、一旦崩し!!” なる新ワザを入れ、勇気を出して崩す、塗りつぶす!のちにまた繋げる!!といった色々な段階があり、頭の中はフル回転で日々絵は進む感じです。
武士のような格闘技と近いような日もあったりします。


そんなこんなでいろいろな日々を、時間を経て作品が誕生していきます。
最近は、新しい作風も模索しながら描いてます。なかなか難しい。だけど楽しいです。難しくなるほど面白いし、分からなくなるほど萌えています笑。



また、書きまーす!(^o^)/






2021/01/11

Thousands of Finchies

Thousands of Finchiesは、2017年制作の記憶にも新しい作品です。


この作品は作品集の表紙にもなっていますので、長井作品といえばこの絵を思い浮かべてくれる方も多いかと思うです。


まだまだずっと昔に、“作品集がみてみたいです”  “いつでますか??” “作品集まだですか!” “署名活動するんで作ってください!!!” “えー!まじですか。”と。沢山声をかけてもらっていまして。

クラウドファンディングとかも迷いましたが、いや、全部自力でゼロから作ったろうの勢いだけで、創り上げたものでした。
構想から2年くらいで完成させたと思います。

もちろんギャラリーの協力と共に、デザイナーの友人と遠距離で、ほとんどラインひとつでやり取りをして(友達だからできた至難ワザだったかと。)サイズや紙選び、校正、英訳の依頼から、やった事のない領域まで隅々経験しました。


作品制作と同時進行させた作品集作りはまあどっ大変でしたが、あの経験は本当に『宝』で、今でも思い出す度にやってみて良かったと思うのです。

空想からのアイデアが現実に手の中に現れた時はとんでもなく魔法的な瞬間でした。



無理だって思える事も、まずは実現させる!!と強くイメージすること。そこに信頼できるチームがいてくれさえすれば、全然本当になる。とわかりました。

それは、まさにいつもやっている作品制作でも同じで、どんなに壮大な作品であっても、誰かから “よくこんなの描けるよね!!”と言われても、それは強い『 描きたい!!』と思う力があるからこそ描けるのであって、やっぱり『念力』大事!必須だわと思うのであります。

何でも、無理無理無理と思わずに、できるできるできる、やってみるし!!と思うこと。信頼できるチームを大切に。さえすればよろしいでしょう。

シンプルに大切な事の気づきと、一冊の本を製本するというまあ莫大な経験をしたのでした。


どこを切り取っても、この “Thousands感”!

くまだらけですが、Thousands of Finchiesのタイトルは、日本語で、“ 千羽のジュウシマツ” という意味です。

子どもの頃に50羽くらいのたくさんの鳥達と過ごした日々が、いまの制作に繋がっていてそんなイメージを作品とタイトルにこめました。

ジュウシマツでなくて、リアル桜文鳥が一羽描かれてます。

文鳥も当時飼ってました。あと、猫とかシマリスとか色々と。


こちらが、初めて作った作品集。
初めて手にした時の衝撃は今でも忘れません。デザイナーの友達に “すごいの作っちゃったね!!”とそっこうラインしました◎



また、書きます〜(^o^)





2021/01/08

新しい年が始まりました。
2021年もよろしくお願い申し上げます!


今日から緊急事態宣言の下、小学校も3学期が始まり、私も久しぶりの制作をしました。
久しぶりの油絵の具の匂い、傍らにチワワ達がころがりラジオを流しながらのいつものアトリエ風景。これこれっ〜!!

今年ももりもりに制作楽しみたいです。



愛知県は、豊川市桜ヶ丘ミュージアムでの『天国』展も年明け始まっています。
早いもので展示もあっという間に後半戦。


こんな状況下ですが、沢山の方に観に来てもらえているそうです。
残念ながら来られなく悔しいおもいのメッセージも沢山いただいています。
少しでも展覧会が伝わるよう、文章でもお届けしたいです。  


今日の一品は、“ 光 ”2014年制作です。

こちらも長井作品の代表作です。
作品集にも載っていてとても人気です。

実物がみたかったので、今回観られて嬉しかったです。と何人かの方に言ってもらえました。良かったぁ!!

“ 光 ” 2014

私も数年ぶりに実物を目の前にしましが、シンプルに良い絵だ!と思いました。
自分で描いてますが、何年も経つと結構客観的に一つの作品として観てるのです。
その当時の描き方と現在ともまた違うので、なおさらです。

“ 光 ”は、2014年の個展『飴色の光と落ち栗色の絨毯』の中で展示しました。飴色の光を描いています。

永遠のテーマに、自然の現象があり、水と光は特に大きなテーマです。また、いっちばん難しいのもこれらの “現象もの” 。
頭で考えてもうまくいかず、ものすごい短い時間で瞬間的に感覚で描きあげてます。
びびると失敗するので、「 今日描ける! いけるわ!」と思った時に描いてます。


構図も変わっていて、不思議なアングルになってます。
長井作品の特徴のひとつなのが、変な構図なところです。これがまた良いんだなあ。ちょっと外れてて、おや??と思うところが何とも気になる。くせになる。中毒になる、また見たくなるなる、ありがとうございます!笑 

描いてる自分が1番どつぼにハマっております。

過去の作品をみるとまたまた描きたくなるのでした。


会場では、柔らかな日が差し込むところに“ 光 ”が展示されています。この作品にふさわしい場所です。

時間帯によっても色々な表情をみせてくれます。



また、書きます(^o^)/

2020/12/30

天国についた

2020年も今日でおしまいです。

なんだか、夢のような。夢でなくて現実なんだけど、どこかおとぎ話かのような、浦島太郎のよふな。
忘れられない1年になりました。


世界同時に同じピンチを共有したこの地球規模な一大事。


今を生きる誰しもが生まれて初めて経験した事で。1年生の子供にも、38年生の自分にも、ばあちゃんじいちゃん兄ちゃん姉さん子ども達、赤ちゃんまで、みんな同時に。

生きる事も、死ぬ事もその続きのことも、はたまたもっともっと昔の事も、
沢山考えた時間でした。


制作をして作品を生み出す事がなんて極上で、まるで『 天国 』のような事なんだろうか。当たり前にできている事がなんと奇跡的だった事だろうか。
“行けない” “できない” “不自由”を、想像で手の届くとこまでにするのはどうしたらいいのだろうか。
思考してとにかく描いて描いての1年間でした。
思ったらすぐに行動にしてるタイプなので、迷子になりながらもズンズン制作してました。おそらく、過去にないくらい沢山の作品描いてます。



『天国についた』は、まさに自粛期間ど真ん中に生まれた作品です。

友達が送ってくれた携帯電話の画面だけで見た “ハーブ園” が素晴らしすぎて、一気に描きあげた作品です。


友達が送ってくれた気持ちも嬉しかったし、想像のレベルを上げて頭の中で行こうとしたおちゃめな絵描きが描きあげた絵となります。


描き終えて、よし!無事に “ 天国についた ”と思えたのでありました。

『 天国についた 』2020

photo by Kenji Tajahashi





そして2020年は、自分なりにむちゃくちゃアートした年だっただろうと。

“アート”とは、なかなか一般的には遠慮されがちなワードだと思いますが。
シンプルに“ 何かに気づく事 ”かと。哲学のような問答のような仏教のような悟りなようなもの、つまりは、それまでの自分になかった扉を開くことができた“ 眩しい瞬間 ”の事かと。思っています。

それは、ひとつの絵の画面作りにも良く似ていて、存在しない答えに向っていく事と似てるかも。分からないからおもしろいし、どんどん追求と好奇心は止まらないです。
そしてそれは、常に“美しい”と共に。これを自分なりのアートとしてやってきました。
この2020年をきっかけに次なるステージに少しでも近づく事ができたとしたら、ガッツポーズです。そんな1年でありました。



世界中大変だったけど、それに値いする意味がきっとあると思ってます。多くの人がそれぞれの “気づき” にふれた年だったんじゃないかなあ。
未来にはこの2020年がきっと良い方向へのタイミングだったのだと、そうなってることを祈って!
来年を楽しみにしたいと思います。





ではでは。良いお年をお迎えくださいませ!


また、来年書きますー。